猫の多頭飼い、トイレはいくつ・どこに置く?「猫の数+1個」の理由から考える
「トイレはひとつあれば、みんなで順番に使ってくれるはず」。新しい猫を迎える準備をしていると、ついそう考えたくなります。けれど猫にとって、トイレはどこでもいい場所ではありません。
先にいる猫の縄張りに、新しい猫が加わる。トイレの数と置き場所を決めることは、それぞれの猫が落ち着いて用を足せる場所を、家の中に割り振ることでもあります。リビングの隅に並べて置けば済む、とは限らないのです。
なぜ猫の数より多めに置くといわれるの?
多頭飼いのトイレの数は、「猫の数+1個」が理想といわれています。いまいる猫の数より、一つ多く用意するという考え方です。数字だけを見ると、少し多く感じるかもしれません。
理由は、猫のもともとの暮らし方にあります。猫は大昔、森で単独で狩りをして暮らしていたといわれ、ほかの猫と助け合ったり、群れで暮らしたりする必要がありませんでした。むしろ自分の縄張りを守ろうとして、ほかの猫が入ってくることを嫌がります。
トイレも、この習性と切り離せません。猫は安全だと認識した場所以外では排泄をせず、ほかの猫の縄張りで排泄するのは、なおさら避けたいことです。
トイレを余分に用意しておけば、ほかの猫と同じトイレを嫌がる猫が、排泄を我慢したり粗相をしたりするのを防げるとされています。数を多めにとるのは、気兼ねなく使える場所を残しておくための余裕でもあります。
トイレは、どこに置けばいい?
置き場所でまず確かめたいのは、人の目と音です。排泄を見られると気が散る猫もいるので、廊下のように人通りの多い場所は避けましょう。家族がよく出入りする部屋の戸口のそばも、落ち着きにくい場所になりがちです。
洗濯機や乾燥機の音、車の音、知らない人の声がよく聞こえる場所も、落ち着いて排泄できないことがあります。玄関の脇や脱衣所のそばは、空いていて置きやすく見えても、こうした条件に当てはまらないか見直しておくと安心です。
次に見たいのは、食事の場所との距離です。トイレと食事をする場所は、なるべく離すように勧められています。多頭飼いでは食器を置く場所が増えることもあるので、新しいトイレの位置を決める前に、それぞれの食器からの距離も確かめておきましょう。
階が分かれる家や、迎えたばかりの時期は?
家に複数の階があり、猫が自由に行き来しているなら、それぞれの階に1つずつトイレを置けるとよいとされています。あわせて、猫が1日のうちでいちばん長く過ごす場所の近くには、少なくとも1つ置いておきましょう。
たとえば各階に置いたうえで、残りを猫がよく過ごす部屋の近くに回す、という割り振りが考えられます。階段の上り口のように人がよく通るところは、この段階で候補から外しておくと決めやすくなります。ワンフロアの住まいなら、部屋を分けて置く、同じ部屋でも離れた位置に置く、といった散らし方もあります。
迎えてしばらくは、先住猫と新しい猫を別々の部屋で過ごさせる方法が紹介されています。その間は、それぞれの部屋にトイレが必要になります。先住猫がいま使っているトイレはなるべく場所を変えずにおき、新しい猫の分を足していく形にすると考えやすくなります。猫たちが同じ空間で過ごせるようになったら、全体の数と配置をあらためて見直してみてください。
数を増やせないときは、どう補う?
部屋の広さによっては、頭数より多く置くのが難しいこともあります。トイレは共用になっても問題はありませんが、汚れていると猫はトイレを汚い場所だと覚えてしまいます。置ける数が限られるときほど、ひとつひとつをきれいに保つことが要になります。
ほかの猫と同じトイレを使ってくれる猫もいます。排泄の様子を見ながら必要な数をそろえ、足りない分はこまめな掃除で補う、という考え方も示されています。
掃除の目安としては、排泄物を定期的に片付けるだけでなく、トイレ本体は月に1回程度丸洗いし、猫砂も半月に1回くらいはすべて入れ替えることが挙げられています。トイレの数が増えるほど、この手間も増えます。洗った日をトイレごとにメモしておくと、順番に回しやすくなります。
置いたあと、どこを見ればいい?
配置が猫に合っているかどうかは、ふだんの仕草に表れます。トイレになかなか入らない、排泄中にトイレの縁に足をかけている、排泄後にトイレや壁を手でカリカリする。これらは、トイレに不満を感じているサインとされています。
気になる仕草が続くときは、置き場所、トイレの大きさ、掃除の間隔を順に見直してみてください。トイレ以外での失敗が続く、いつもと様子が違うと感じたときは、かかりつけの動物病院に相談しましょう。
まず、間取りに印をつけてみる
紙に家の配置をざっと描き、次の場所に印をつけてみてください。トイレを置かないほうがよい場所と、置きたい場所が、同じ紙の上で見比べられます。
- 猫がいちばん長く過ごす場所
- 食器を置いている場所
- 人がよく通る廊下や階段の上り口
- 洗濯機や乾燥機のまわり
印をよけながら、猫の数より多めにトイレの候補を書き込みます。今日のうちに描いておけば、新しい猫を迎える前に、どこに何を置くかを家族で話し合えます。
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